介護職は無資格で転職できる？資格が無い場合の影響は？

資格が無くても転職できる介護職

介護職は資格が無くても大丈夫！

「介護職は介護資格が無いと転職できない」といったイメージを持っている方が多いようですが、実は介護職というのは無資格、未経験で転職する事は十分可能です。介護職は資格が無いと一部業務が制限されますが、かといって資格が無いと介護職に就けないという訳ではありません。

実際に無資格・未経験で介護職にチャレンジし、介護現場で活躍している方は大勢います。介護職で実際に働いてみてから資格を取るのでも構いませんし、資格なしでずっと介護職を続けていても問題はありません。

人手不足なため資格なしでもチャンスあり

介護職は慢性的な人手不足が続いています。このため採用の窓口を大きく開いており、介護資格が無い方向けの求人、介護職の経験が無い方向けの求人、年齢が高い方向けの求人なども多く、他業種に比べて採用されやすい傾向があります。このためたとえ資格や経験が無くても、やる気や人柄の良い方であれば介護職に採用される可能性は十分にあります。

派遣であれば更に採用されやすい

ただしいくら介護職が人手不足と言えども、地域によっては、またあなたの年齢や経験によっては、資格なしでは採用されない事もあります。もし余りに資格無しでは採用されない場合は、「正社員」では無く「派遣」として介護職にチャレンジしてみるのも一つの方法です。

派遣であれば給料は下がりますが、その分資格なしでも採用される可能性が格段にアップします。派遣であっても働けば経験となりますので、その経験を武器に以降で正社員にチャレンジしていくのも一つの道です。

資格無しで介護職に就く事のメリット

合わなかった場合のリスクが少ない

介護職は利用者の身体をサポートするという専門的な仕事であり、他の仕事とは一線を画す独特の能力や気構えが必要になってくる仕事です。このため大志を抱いて介護職に進んだ方であっても「自分にはどうしても向いていなかった」、「自分では続けられそうにない」と断念し辞めていく方も実際多いです。そうなってしまうと、せっかくお金と時間を費やして取得した介護資格は台無しになってしまいます。

一方で資格無しで介護職に就けば、断念した場合そういったリスクが最小限に抑えられるメリットがあります。まずは介護職が自分に合っているか見定めてから資格を取得するというのも合理的な方法と言えるでしょう。

資格試験に合格し易くなる

介護の資格試験は、介護現場で実際に扱う知識や技術が多数出題されます。このため机上の知識だけで勉強し受験するよりも、実際に介護現場で働きながら勉強し受験した方が、吸収も早くなり合格もし易くなります。

また働きながら勉強する事で、逆に試験勉強で得た知識を仕事にフィードバックし易くなり、実務能力の方もアップさせ易いというメリットもあります。

介護福祉士の受験資格に加算される

介護資格として最も権威ある資格が、国家資格ともなる「介護福祉士」です。この介護福祉士は「介護現場での実務経験3年以上」という受験条件があります。つまり、介護福祉士においては取りたくても3年以上の経験を重ねないと試験すら受けられないのです。

この3年以上の実務経験は、資格無しで働いた期間もカウントされます。このため、未経験の方が最短で介護福祉士の資格取得を目指す場合、まずは資格無しであっても介護現場で働き実務経験を稼ぐことが近道となる訳です。

資格無しで介護職に就く事のデメリット

資格無しだと仕事内容が制限される

介護職は資格無しでも就く事はできますが、資格無しですと仕事内容が一部制限されます。具体的には介護資格が無い場合、食事の補助、入浴の補助、衣服の着脱、排泄の補助といった「身体介護」に分類される介護業務が法律上行えなくなります。こういった身体介護を行うには、「介護職員初任者研修」、「介護福祉士」といった介護関連の資格が必要となります。

一方で、食事の支度、衣服の洗濯、部屋の掃除、買い物の代行といった「生活援助」に分類される簡単な介護業務であれば、資格無しで行う事ができます。無資格で介護職に就いた場合、こういった生活援助に分類される業務があなたの日々の仕事となります。このため、身体介護＆生活援助を一人でこなさなければならない「訪問介護」の仕事に就きたい場合は、介護資格は必須となります。

また介護の送迎については「2種免許」は不要であり（介護施設での送迎の場合。介護タクシー会社など送迎が主の事業となる会社で送迎業務を行う場合は2種免許が必要）、「普通自動車免許」だけ持っていれば送迎業務を行う事ができます。

資格無しだとライバルと差が付く

例えば採用面接時に同じような年齢、経験で資格有と資格無しの方が来た場合、資格有が優遇され採用されやすくなるのは事実です。また資格は観方を変えれば意気込みの表れともなりますので、資格も無く経験も全く無い方ですと採用する側は少なからず警戒してしまうのも事実です。このため確実に転職を実現させたい方であれば、資格を事前に取っておく事が賢明です。

資格無しだと年収にも影響が

前述した通り介護資格有無で行える介護業務の内容が変わってきますので、年収ももちろん差がつきます。目安としては、資格無しの場合、資格が有る方に比べ約1〜2割年収が低くなる傾向があります。また、資格無しですとどうしても出世もし難くなってくるので、将来的な年収の伸びも低くなる可能性が高いです。

介護職で働いていく上で将来的には資格は必要か？

資格を取らず介護職を続けても問題ない

前述もした通り、介護職で働く上で資格は必ずしも必須ではありません。介護職を目指す方には様々なタイプの方がいらっしゃるかと思います。例えば、「ダブルワークやパートで続けていくつもりなので給料やキャリアは重視しない」、「介護職で今後も働くつもりはあるが身体介護など専門的な業務は行いたくない」、「繋げの仕事として働いているので資格はとりたくない」といった方であれば無理して介護資格を取得する必要はないでしょう。

介護資格を取得しないと強制的に辞めさせられるといった事も基本的にはありませんので、資格を取る取らないは個人の自由です。取らずに介護職を続けていく事ももちろん出来ます。

本気で介護職を続けていくのであれば取るべき？

とはいうものの、資格を持っていれば年収ベースもアップしますし、出世や将来のキャリアチェンジにも有利に働きます。介護職を将来的にずっと続けこの仕事で家計を維持していくつもりであれば、資格は取得するに越したことはありません。

また、「介護職員初任者研修」、「介護福祉士」などの資格があれば仕事内容の幅が一気に広がりますので、介護施設の利用者の方にとっても、同じ施設で働く同僚にとっても、あなたはありがたい存在となり感謝されます。介護現場で活躍する上でも資格は取得するに越したことはありません。

「介護福祉士」は取るべき？

「介護職員初任者研修」、「介護福祉士」どちらの資格であっても、仕事内容の制限は解除され生活補助〜身体介護まで全ての介護業務が行えるようになります。このため、業務的には「介護職員初任者研修」だけ持っていれば支障はありません。

ただし「介護福祉士」は介護資格の最上位の資格であり、難易な国家資格でもあります。このため介護福祉士の資格を持っている事で更に給料を上乗せしてくれる職場も多く、将来転職をする際にも対外的に介護福祉士の資格は有利に働きます。したがって、介護福祉士についても必須ではないものの、本気で介護職を続けていくつもりであれば取得しておくに越した事はありません。