ITエンジニアのための読んでもらえる職務経歴書の記載法
職務経歴書の書き方で押さえておくべきポイント
転職活動をする際に大切になってくるものが職務経歴書になります。職務経歴書という書類は書類選考の際に採用担当者に自分のスキルや経験を把握してもらうために、それらを分かりやすくまとめた書類になっています。
ちなみに、採用担当者が一人の職務経歴書に対して、最初に目を通す時間はわずか4秒と言われています。この4秒の間に採用担当者はその求人へ応募してきた転職希望者と面接するかどうかを判断しています。したがって、職務経歴書というのはそれこそ10ページの及ぶようなものを記載しても、すべてを読んでもらえる可能性は低くなります。そのため、2ページ程度に簡潔にまとめるというのが職務経歴書を作る場合のポイントになります。
ちなみに、この職務経歴書で押さえておきたいのは、職務経歴書を見ることになる人は往々にして数々のプロジェクトへの参加経験のある熟練したITエンジニアなどではなく、ITエンジニアとしての経験が無い人事の担当者になるということです。したがって、自分自身のキャリアについては、IT業界に対してあまり知識が無い人が読むことを前提にした記載を行う必要があります。
この職務経歴書で触れておきたいポイントは5つあります。それが自分がプロジェクトで担当したシステムの内容、そのプロジェクトの顧客先の業界、OS知識・プログラミング言語といったようなスキル、参加したプロジェクトの規模、マネジメント経験の有無になります。この5点についてしっかりと分かりやすく記載するようにしましょう。
インフラ系SEの職務経歴書の書き方
さて、上記の項目では全てのITエンジニアに共通して職務経歴書の書き方の押さえておくべきポイントについて述べてきました。ここからの文章では職種別で具体的な職務経歴書の書き方について見ていきたいと思います。
まず、最初はインフラ系SEの職務経歴書の書き方になります。インフラ系のSEというのはそれこそサーバーの導入、OSの設定、ソフトウェアの初期設定、場合によってはネットワークやデータベースの導入といった作業まで行うこともあり、その業務範囲は非常に広いものになります。したがって、まず自分自身がプロジェクトにおいてどのような経験を積んでおり、得意としている技術は何なのかという売りをはっきりさせておく必要があります。
また、運用・保守のインフラSEの場合、業務が広い範囲に渡っているため、どのスキルについても広く浅く精通している状態で、売りとなる技術が無いと悩んでしまう場合もあります。そんな時は運用・保守において工夫・改善した点を職務経歴書に書いてみるのが良いでしょう。
例えば、サーバの性能が思うように出なかったので、性能測定する作業を繰り返し、結果としてボトルネックとなっている部分を見つけ出して性能を改善させたといった話があれば、サーバのチューニングといった分野についての知識を持っているという形での転職のアピールにつながります。
また、プロジェクトではマニュアルが整備されていなかっため、自分自身でマニュアルを作成してチーム内で共有したことにより、業務の流れを効率化したという経験があれば、ドキュメンテーション能力があるということを転職先の採用担当者にアピールすることもできます。このようにインフラ系SEの場合には多岐にわたるITエンジニアとしての知識・経験から自分自身の強みとなるポイントを見つけ出すようにしましょう。
ネットワーク系SEの職務経歴書の書き方
次にネットワーク系SEの職務経歴書の書き方について述べていきたいと思います。近年は通信インフラのスピードが爆発的に向上したことにより、多くのサービスがネットワーク経由でクラウドサービスという形で提供されるようになってきました。それに伴いサービスのベースとなるネットワークについての専門的な知識を要するネットワーク系のITエンジニアの地位も上がってきました。
数多く存在するITエンジニアの職種の中でもネットワーク系を専門とするITエンジニアの平均年収は、高い年収をもらっている職業の代名詞とされていたコンサルタントなどの平均年収を超えているというデータもあります。
例えば、Tech総研のITエンジニアの職種別の平均年収調査によると、ネットワーク系のITエンジニアの平均年収は647万円、コンサルタントの平均年収は629万円となっています。したがって、転職によって大幅に年収を伸ばすことができる可能性がある職種がこのネットワーク系SEになります。
ネットワーク系SEの求人においてはその高い専門性が期待されているケースが多く見られます。したがって、自分自身がこれまで積んできたキャリアについてより詳しい記載を行うことにより、求人先の担当者にどのようなスキルを持っているのかを把握してもらう必要があります。
例えば、単純に「Ciscoの技術者認定資格を持っている」、「ネットワークの設計・構築・運用を行ってきた」というだけではほかのネットワーク系SEと差別化を図ることができません。
もう一歩踏み込んで、「無線通信の技術について専門的な業務に携わっていた」、「500人規模のネットワークで負荷を分散させる方法、障害に対応する方法などを考えながらネットワーク設計を行った経験がある」といった形でキャリアを深堀するようにしましょう。これによってほかのネットワーク系SEと差別化してアピールすることが可能になります。
データベース・サーバ系SEの職務経歴書の書き方
最後にデータベース・サーバ系SEの職務経歴書の書き方について述べてきます。データベース・サーバ系の技術で近年大きな注目を集めているのは仮想化技術です。この仮想化技術というのは物理的には何台かのストレージという形で別々に分かれているものを、仮想的に1台のまとまったストレージのように取り扱うことを可能にする技術になっています。
実際、近年の求人ではこの仮想化技術に精通したデータベース・サーバ系ITエンジニアを求める求人も多く見られます。したがって、自分のこれまでのキャリアにおいて仮想化技術に携わったような経験があるなら、転職においては大きく有利になります。
また、近年多くの運用・保守の現場においてデータベースの性能がボトルネックになってしまい、性能が上がらないといった問題が発生してます。したがって、このようなデータベースの性能をチューニングしてやる技術を持つデータベース・サーバ系のITエンジニアというのも高い評価を集めていています。
ただ、このような技術が無いデータベース・サーバ系SEであってもアピールの仕方は色々あります。こちらのデータベース・サーバ系SEについても、求人においては高い専門性が期待されています。したがって、自分自身が持っている経験やスキルについては詳しく記載することが求められます。
例えば、「Windows系のシステムでのデータベース担当SEとしての業務経験あり。」といったような漠然とした記載をするよりも「Windows系のシステムにてクラスタ環境構築の経験あり。」といったような具体的な記載を行うことにより、転職を希望する企業の採用担当者にはよりその人の強みが分かりやすくなります。
また、データベース・サーバ系SEについては、社内でトラブルシューターとして活躍する場合もあり、障害対応の経験などが高く評価される場合があります。したがって、何か大きなトラブルを解決した経験などがあれば詳しく書くことにより、求人の担当者へのアピールにつながるでしょう。
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