残業少なめ福利厚生が手厚い大学職員SEという選択肢
大学職員SEの待遇と仕事内容
私立大学職員という高待遇職
ITエンジニアが社内SEへの転職を考える際、「大学職員」を目指してみるのは1つの有効な選択肢です。大学職員と一口に言っても、内容は様々ですが、待遇が良いのは私立大学職員です。「大学職員 待遇」「大学職員 求人」で検索すると、その待遇の良さは際立っています。
日本私立学校振興・共済事業団によると、2005年の平均給与(年収)は734万円です。東証一部上場企業の平均年収672万円と比較すると、その高さが理解できます。
また、勤務時間は9時~18時で残業は少なく、有給休暇とは別に夏季休暇や冬季休暇がそれぞれ2週間程度ある大学が散見されます。当然、求人募集が出ると多くの応募があり、中途採用の倍率が100~200倍となることもあります。
大学業界を取り巻く環境
高待遇の大学職員ですが、業界全体の未来は明るいとは言い難い状況です。ご存知のとおり、少子化により学生数は減少し、今後はさらに大幅な減少が見込まれています。一方で、私立大学の数はこれまで急激なスピードで増加してきた経緯があります。1985年に460校だった大学数は、1995年565校、2005年726校、2015年779校と約30年で70%も増加しているのです。
そのため、全大学のうち3校に1校は定員割れを起こしており、今後淘汰が始まることが予想されます。一方で、私立大学の全志願者に占める志願者の上位30校割合が全体の55%であり、一極集中化が進んでいます。
仕事内容
もしあなたがITエンジニアとして5年以上のキャリアを有している場合、入職後はシステム部門に配属される可能性が高いと言えます。内部でITエンジニアを育成できる大学はほとんどなく、多くが転職組だからです。
では、大学のシステム部門はどのような仕事をしているのでしょうか。多くの大学では、「人事給与、財務会計などの法人系システム」「教務システム」「教育研究系のインフラ整備」「ネットワーク保守運用」「PC教室の調達と管理」といったところが主な業務となります。
大学職員SEに求められる条件
マネジメント力と技術力のバランス
では、あなたが大学職員を目指すとして、狭き門を見事くくり抜けるためにはどういった能力やキャリアが求められるのでしょうか。多くの大学では、「マネジメント力」と「技術力」のバランスが求められると考えられます。
学内で必要とされるシステムを自前で開発している大学は皆無と言っていいでしょう。むしろ、多くの大学は業務部門からの要望をヒアリングし、システム開発ベンダーに発注し、それをコントロールしています。つまり、発注者としてのプロジェクトマネジメント能力が必要とされるのです。
一方で、システム部門には教員や事務局員から多くのトラブルの問い合わせが寄せられます。「PCがネットワークにつながらない」「簡単なWebフォームでアンケートが取りたい」「以前作ってもらったマクロが動かない」といった問い合わせです。これらの原因を見つけ解決する、あるいはシステム保守ベンダーに伝えるためには、「技術力」が必要とされます。
このように「マネジメント力」と「技術力」の両方を兼ね揃えたITエンジニアこそが、大学におけるシステム部門の求めるITエンジニア像と思われます。当然ながら、教育研究分野への強い関心や動機が求められることは言うまでもありません。
求人の探し方
大学職員になると、「どこで求人を見つけたの?」と聞かれることが多くあります。よく聞かれるのが「卒業生だけに公開されている」という話ですが、最近ではそういったケースは皆無と言えそうです。多くの大学では、ホームページで採用情報を公開しています。
また、大手の転職サイトに募集をかけるケースも見られます。「大学職員への道 求人状況」で検索すると採用情報をまとめたサイトも存在します。狭き門ではありますが、転職を考えているITエンジニアのみなさんにとって、大学職員SEも魅力的な選択肢の1つではないでしょうか。
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